
痛みがある
痛みはからだの異常の警告です。痛みを早くなおしたい、誰でもそう思います。痛みをなくすことは大切ですが、続いて痛みの原因を取り除くことも同様に大切です。痛みがなくなると、治った!と思いますが,病気が治ったかどうかは、別問題です。
みなさんは、歯科での痛みについて、一番に「むし歯」を思い浮かべるでしょう。「痛いからむし歯、むし歯だから痛い」と。
痛いからといっても、むし歯が原因の場合はそれほど多くありません。他に、歯周病、かみ合わせ、入れ歯、炎症、神経痛、外傷、口内炎、知覚過敏など沢山あります。反対に、むし歯でも痛まないことは多く、「ここと,ここにむし歯があります」とお話すると、「でも痛くないよ」というお返事をよくいただきます。むし歯で痛くなったら実はかなり進行しています。
ここでみなさんにお伝えしたいことは、痛みの原因とかその治療法ではなく(そういった内容は、もっと詳しいホームページがあるでしょうし、医学書や講演で私より上手にわかりやすく説明されているでしょう)、「痛みをなくして早く楽になっていただきたい」ということと、「痛みがなくなっても原因となった病気の治療を続けることは自分のためだ」、ということです。
痛みがなくなると治療を中断してしまう方がみえます。しばらくして来院されて、「先生、すみません。○○だったもんで・・・」とお話されます。みなさん、それぞれに理由があって治療が中断したと思います。またご自分で「中断しても良い」と思われる程度には、痛みがなくなったのでしょう。痛みがなくなった事は良いことです。でも、原因となった病気の治療は続ける必要があります。痛みの無いままに進行する病気もあります。そうなると、次に痛んだ時はもっとひどく、結局通院回数が増えることになります。「先生、すみません」ではなくて、ご自分のお口に「すみません」を言ってあげてください。もちろん、「痛みがなくなった」=「病気が治った」なら誰にも「すみません」を言う必要はありません。
反対に、治療していてもすぐには痛みが無くならない場合もあります。特に化膿性の炎症をおこしている場合には、痛みが続いたり、歯肉が後になってから腫れたりすることもあります。そのような時、みなさんは「治らないじゃないか!」「全然良くならない!」「余計ひどくなった!」と不信に思われるかもしれません。残念ながら、1回目、2回目の処置が病気の進行に間に合わず、治療効果が遅れることもあります。もう少し、辛抱してください、きっと良くなります。
むかしむかし、「病気を治すのは私ではなく神だ。私は神が病気を治すのを手伝う」と言ったお医者さんがいたそうです。
私は「病気を治すのは神様とあなた自身です。私はそのお手伝いをします」と言い換えたい。